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ギボン ライダー インタビュー特集開始!第1回目は須藤美青。

 

須藤 美青

多感な10代最初からスラックラインを初めて、既に4年8か月。

2014年、高校受験という人生の最初の岐路に立ちながら、須藤美青は世界のスラックライン女子のWSFed(※1)世界ランキング1位でシーズンを終えた。
私生活では誰もが期待し、緊張するまったく新しい高校生活が始まり、同時に5月からは世界ランキング1位という重圧とともにスラックラインのシーズンも始まる。

Gibbon Slacklines Japan Rider Suter

2重の新しい生活を15歳の美青はどのようにすごしてゆくのだろう。

スラックラインとの出会いは普通で、小学生5年の春に始めたクライミングにとにかく夢中で、近くにできたクライミングジムに通うにようになって「結構登れるようになったし、そろそろ大会かな~」と思っていた矢先、股関節の怪我で落ち込んでいたところ、通っていたジムにたまたまスラックラインを設置されたことからはじまった。

 

そして最初に始めたのはミオではなく、母だった。

でも母が楽しそうにやっているのを見て、しぶしぶ(少なくとも素直にではない )

「私だったらもっとできるよ」  という理由からだった。
スラックラインを始めてから2か月程経ったころ、当時のトップライダーたちによるトレーニングキャンプ(ギボンキャンプ)がたまたま 近所にあるアクテビティ総合施設 ろまんちっく村で行われ、これまでに見たことない技やスタイルを見たことで、さらに美青のやる気に火がついた。

アズキャン(※2)やユカッチ(※3)を初めとした当時の日本トップライダーが集結して、ギボンがバックアップして、さらにスタイルを磨こうという試みが行われたのだった。当時まだ日本オープンも第1回目が終わったばかりの頃で皆が新しいトリックを覚えようとギラギラしている頃だ。

 

この機会は美青にとって大きなきっかけになった。美青は翌年からすぐに大会に参戦。ジュニア女子でメキメキと頭角を現すようになる。それからもスラックラインを通じて知り合った仲間とのセッションを重ね、スラックラインにかかわるイベンには足蹴もなく通い、スラックラインのすべてを吸収してゆく。

 

中学生にもなると周囲はどんどん大人びて、恋や部活などのいわゆる青春を満喫しているのに対して、美青は相変わらず、スラックラインのために時間を費やした。体調面についても、それまでほとんど体や生活を気にすることはなかったが、スラックラインを真剣に取り組むようになって、それまでは何気なく飲んでいた「炭酸ジュース」を飲まなくなったり、これまでは準備運動など、皆無に近かったのに対して、頻繁に柔軟(柔軟体操)もするようになった。要はスラックラインをやるためメリットになることをするようになったのだ。ファッションはジーンズにスニーカーとT-SHIRTのスタイル。これがミオの等身大のスタイル。見ていて、単純にかわいい。が本人がそれを狙っているかは定かではない。

 

家族のささえ

 

スラックラインにかかわらず、幼少時からスポーツを継続的に取り組むには、本人だけでなく両親のサポートが必然になってくるのは、オリンピックで活躍した選手の裏話をTVでやっているので知っている方も多いだろう。

スラックラインの場合は、他のアクティビティに比べて、道具は少ないほうで手間はかかるほうではない。また、スキーなどのように、屋内で行う分には天候には左右されないので、比較的すぐには始められる。

但し、本格的な練習ともなると、そこはマイナースポーツの性。まずはラインを張る場所探しからはじまる。ロケーションは良くとも公園の管理局などとうまく付き合わないといけないのは既に始めている方々には周知の事実。 特に競技向けになってくると、ラインを張るのに、木と木を結び付けた後にこれを適度な硬さまで調整しなけなければならない。普通に締めるだけなら、だれでもできるのだが、競技向けとなると大人の力が必要になってくる。スラックラインは見た目にはシンプルだが、バスケやサッカーのようにボールさえあれば!というわけにはいかない。この作業に毎回付き合い、サポートしてゆくのは時間的にも場所的にも結構な労力がかかる。須藤親子も例外ではない。毎回せっせと渾身の力を込めてラインを張り、いくつかのアドバイスを与え続けるといった単調な作業である。ただこの親子を見ている限りはそこまでストイックではないように見える。なぜならミオにとってお母さんは親子という関係だけではなく、いわゆるスラ友なのだ。これはお母さんが相当のレベルのスラックライナーであることが前提。40メートルのロングライン(※4)から地域のスラックラインスクールまでを担うスラックラインマザーは他にはみあたらない。

母親のほうも憎まれ口をたたかれながらも、日々成長する過程を目の当たりにすると途中でこれまた投げ出すわけにも行かなくなってきた結果、既にここまで来ている。

要は親が勉強で成績を上げるために塾に通う感覚よりも、あくまで自主的に継続する子供を親がサポートしている。

このような親子の関係は少なからず周囲の注目を集め、次第に期待されつつある。地域のスラックラインスクールを通じて、スラックラインの可能性をもっと知ってもらえるというのを親子で実践しているので、とてもわかりやすく、素直に応援したくなる。

 

みんなが頑張っているから頑張れる

 

月並みではあるが美青のやる気は“負けず嫌い”から来ていることは間違いない。

年間ランキングでは世界一になったものの、まだまだライバルに比べて圧倒的に秀でているかといわれればそうではないという段階。サッカーでいうと得点王ではあるけどMVPや最優秀選手ではない感じ。それは本人が一番分かっている。だからこそ、頑張れる。

地元の栃木ではほとんど競技をする人がいなくて、母と二人の練習ではハリがないものになってしまうようなので遠くても、練習が効果的になるようにライバルや仲間とのセッションをほぼ毎週重ねている。「正直今求めているのは世界ラインキング1位じゃなくて、自分がうまくなること。できない技ができるようになることの方が大事。」「他の人に負けたくない」っていうのもあるけど、「うまくなることでいろいろな人と知り合って、世界が広がる」ことが何よりも魅力。やっている瞬間とその結果の両方が楽しいから今は続けている。

「ほんとはその両方がかなったら、いいんだけど。」

手首の怪我から復帰してきてからは、スタイルが慎重にはなったけど、前よりも波がなく安定して演技ができるようになった。

 

 

これからの自分

 

美青は2014年世界スラックライン連盟であるWSFedの女子の部、ランキングで堂々の1位となった。実際には女子の大会は、世界中でドイツのワールドカップとここ日本だけでしか行われていないのが現状だが、日本オープン(※5)常勝の福田恭巳らをはじめ、多くのライバルがいる中でこの結果を生み出すことは誰も予想はできなかった。しかも受験の年にこの結果を成し遂げるとはだれが予想できただろう?!

トリックに関していえば、天才肌ではないものの、負けず嫌いな性格から毎年着実に進化している。もう既にスタテック系のバリエーションは達人の域に達しており、女子における最大の壁である縦回転を入れたコンボが形になりつつある。これが完成し、世界ランキング一位の風格を身に着けたら、対戦する方はとても厄介な存在に感じられるかもしれない。

Gibbon Slacklines Japan Rider Suto

 

 

 

 

 

日本オープンエキヒビジョンの3 on 3での一コマ。本人には悪いが、熊のぬいぐるみがベタに似合っている。

 

 

“他に何かするよりも一秒でも長くラインに乗っていたい!“

 

今では多くの障害?を得て、受験を乗り越えたところ。「今年はどうしたい?」という質問に“他に何かするよりも一秒でも長くラインに乗っていたい!という答え。

トリックにしても、私生活にしてもやりたいことが多すぎて、まだ

何も絞られない様子だ。

 

スラックラインのこれからとかトリックについてなどの細かい内容よりも、この言葉に象徴されるように、本当に「今がすべて」と感じてならない。多くの言葉を並べるよりも、最終的にはこの一言がとても新鮮かつ、10代のど真ん中という今しかない瞬間を今しかない言葉で語った一言がこのインタビューのすべてになった。

Gibbon Slacklines Japan Rider Suto

いつもの公園での練習一コマ

最近覚えたトリックはサイン会with キッズ!

 

主な成績:

  • 2011 日本オープン 小学生の部 準優勝
  • Gibbon Cup@SBJ第一戦:ベスト8
  • Gibbon Cup@SBJ第ニ戦:ベスト8 (特別賞)
  • 2012 Hirob CUP 女子の部 優勝
  • 2012 日本オープン ジュニアの部 準優勝
  • 2013 Gibbon Cup 高知 一般女子 優勝
  • 2013 日本オープン 一般女子 準優勝
  • 2013 Gibbon Cup 愛知 準優勝
  • 2013 Mt Fuji Slack & Snow Jam in Yeti 女子 優勝
  • 2014 Gibbon Cup 東京 一般女子 準優勝 (特別賞)
  • 2014 Gibbon Cup 愛知 一般女子 準優勝
  • 2014 Gibbon Cup 高知 一般女子 優勝
  • 2014 日本オープン 一般女子 準優勝
  • 2014 Gibbon Festival 福島 4位
  • 2014 WSFed World Ranking 1st

 

主なメディア出演:

【TV】

·         とちぎテレビ「イブニング6」2013.1.8

·         NHK とちぎ放送「とちぎ640」2014.4.25

·         タイ国営放送 2014.9

【雑誌】

Tarzan No.599

 

好きなライン:

サーフライン

 

好きなスラックラインスポット:

長野・小布施スラックラインパーク

栃木:長岡公園

愛知:碧南

栃木:上崎公園

茨城:北浦川

 

※1、世界スラックライン連盟

※2、本名:我妻吉信 第一回日本オープン優勝者、日本人初ワールドカップ出場経験をもつ日本を代表するスラックライナーの一人。

※3、本名:加藤木友香 第一回日本オープン女子の部優勝、多くのmediaにも出演する日本を代表する女子スラックライナーの一人。

※4、スラックラインのカテゴリーの中でも、特に長いラインを渡り、全身の体幹を始め、精神力を高めるトレーニングの一つとしても活用されている。最長記録は310メートル。(ギボン調べ)

※5、日本最大最高峰のスラックラインの大会。WSFedおよびJS Fedの公認大会で実質日本一を決める大会。

※このインタビューは2015年3月時点の内容です。

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